DAPに関する雑記:shanling M6 Ver.21レビュー・ファームウェアに関して およびM6 Ultraの発売について

shanling M6 Ver.21のレビュー

2022年の2月、それまでipad miniおよびiphoneをポータブルアンプに接続して音楽を聞いていたが、以前より気になっていたDAP(ポータブルオーディオプレーヤー)を購入することにした。

 

検討するに当たり重視した点は以下の通り。

・予算は5~6万円台

・サブスクアプリ等使用するのでandroid

・androoidのSRC回避の改造が明記されている

 

 上記の条件をすべて満たしているDAPの中から、各種サイトのスペック情報とレビューを参考にして、shanlingのM6 Ver.21の購入を決めた。

 他の製品と比較して優れていると判断した点を述べていく。

 

 イヤホンジャックが3.5mmシングルエンド出力に加えて、バランス出力端子が2.5mmと4.4mmの2種類搭載されており汎用性が高い。

 ゲインレベルが3段階あり、ハイモードでは570mwの大出力。

 DACチップはES9038Q2Mをデュアル搭載のため音質は期待できる。

 SRC回避に関して。androidOSは、音楽情報再生時にSRC(サンプリングレートコンバーター)を経由してダウンサンプリングされてしまう。ハイレゾクオリティの音源を再生しても、ダウンサンプリングされてしまい音質が劣化する。そのため、多くのDAPではOSに改造を施し、SRCを経由せずに音源再生をするシステムを構築している。この仕組は画一ではなく、メーカーが各社独自に改造している。ただし、SRC回避に関してはメーカーのスペック情報に記載されているものとされていないものがあり、おそらく記載されていなくても何らかの処置はされているかもしれないが明記している方が安心できるので検討の際の条件とした。

 M6はAGLO(Android Global Lossless Output)システムを備え、SRCを回避している。このAGLOシステム、詳細について調べたが名称しかわからなかった。まあ、企業秘密か。

 

以上の製品情報から、同価格帯のDAPの中からM6を選択した。

 

 さて、実際に使用したレビューに関してだが、まず肝心の音質については僕がDAP初心者なのもあるかもしれないが非常に満足のいくものであった。

 イヤホンは主にSE846、ER4SRを4.4mmバランスリケーブルで使用している。

 高音域はキンキンしない程度によく出ており、中音域のボーカルも変に強調されず自然なバランスで聞こえる。低音域については、あまり主張しすぎない感じで低音好きなひとにはすこし物足りなく感じる可能性があるが、これは僕が使用しているイヤホンの性能も関係しているかもしれない。音の解像度は非常に高く、各音をよく聞き分けられる。音の感じはウォームというより寒色系に感じた。

 エレクトロスイングやエレクトロニカなどを好んで聴くため、かなり好みに合致したサウンドとなった。

 次に各種アプリの使用感だが、DAPは全体的にマシンパワーがスマホに比べて弱いため、ややもっさりした動きになることがある。これは購入前から予想していたため、許容できるレベルだと感じた。ダウンロード音源の再生ではneutron music playerを使用し、サブスクはapple musicを使用している。amazon musicのアプリは動作が非常に不安定だったが、幸いapple music派だったので問題なかった。

 出力が非常に優秀で、イヤホンだけでなくヘッドホンでも余裕で鳴らせて良かった。

 

 総評すると、このDAPは非常に優れた製品だと思う。購入後音楽鑑賞が更に快適になった。

 

 さて、上記の通りかなり気に入ったDAPであるM6 Ver.21だが、2022年8月現在、ある問題が起こり困っている。僕と同じ使用条件の人には、注意して次の項目をご一読いただきたい。

 

shanling M6 Ver.21のファームウェア(V3.61)に関する不具合(?)について

 

 先日、ファームウェアアップデートをしたのだが、アップデート後から以下の2点の不具合が頻繁に起こるようになった。

 

apple music使用時、2~30分に1回位の頻度で音飛びする

apple music使用時、1時間に1回位の頻度で曲の途中で再生が途切れ、次の曲にスキップされる。

 

 上記の2点ともapple musicに関する問題なのだが、これが結構ストレスで、落ち着いて音楽を聞いていられない感じになってしまった。

ダウンロード音源の再生に使用しているneutron music playerでは今のところ不具合は起こっていない。

ネットで調べたところ、同じ現象が起こっている人のレビューが発見できたので、おそらく今回のファームウェア(V3.61)により起こっているのではないかと思ったのだった。本体を初期化してみたが、改善されなかった。

 ちなみに、サードパーティ製アプリの動作保証は当然対象外なので、今後修正されるかはわからない。そのため、apple musicユーザーの人がM6の購入を検討していたら、次回アップデートが来た際に当ブログで検証するので購入は控えたほうがいいかもしれない。

 

(日本未発売)shanling M6 Ultraについて

 

 shanling M6シリーズはこれまでにM6、M6 Ver.21、上位版のM6 Pro、M6 Pro Ver21の4機種が発売されている。

 今月、shanlingは新製品M6 Ultraの発売を発表した。

 

 ネット上で製品情報をチェックしたが、今のところかなり良さそうなので購入を予定している。

 最も注目の点は搭載DACチップが旭化成チップAK4493SEQのクアッド構成になっていることだと思う。M6シリーズは、先の旭化成工場火災により従来のAKMチップからESS社製チップに変更を余儀なくされ、マイナーチェンジ版としてVer.21を販売しているが、この度再び旭化成チップに戻ったことになる。

 どちらのDACチップが優れているかは、音の好みもあるため一概には言えないのだが、僕はDAP購入前に使用していたポータブルアンプがAKMチップ機であり、その音作りが非常に気に入っていたため、M6 Ultraにはかなりの興味を持つことになった。

 先に発売されているM7はM6 Ultraの上位版の価格設定であるが、搭載DACチップはESSであるので、両者の出音の特性はかなり違ったものとなるだろう。

 また、DACチップのデュアル搭載機は多いが4枚積みの音は聞いたことがないので、どのようなものになるのか非常に興味深い。

 

 android OSもバージョンが10になり、搭載SoCはsnapdragon 665だが、この構成はなんと上位機種のM7とM9(リミテッド品)と同じである。先に発売されている両機種のスペックから、操作感はかなり快適になると思われる。そして、M7との価格差がおよそ400ドル程度であることから、お得感がすごい。

 

 このようにかなり注目の新製品であるM6 Ultraであるが、すでに海外では発売されているのだが、日本での発売についてその時期や価格がまだ発表されていないようだ(僕が調べた限りでは)。

 毎日ソワソワしながら発表を待っている。お金と音源を貯めて備えよう。